下町のよさを再発見する2017年3月の新刊

下町についてのおすすめ本が一気にいろいろと

入荷しましたのでご案内します!

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まず一冊目は、地域雑誌「谷中・根津・千駄木」の編集をされていた

森まゆみさんのエッセイ「東京老舗ごはん」。

(写真は文庫のカバーの折り返しを開いたところ)

このまばゆいほどのオムライスの写真だけでもかなり魅力的ですが……。

明治から100年以上続く、正真正銘の「老舗」のたべもの屋さんのことが

エッセイとも取材ともつかぬ、流れるような文体でするすると語られます。

「店のこだわり」や「伝説的なエピソード」に囚われすぎることもなく

伝統を横目に今日この時代をまっすぐに生きてこなしていくような

世継ぎの方々の「粋」が描写のあちこちに感じられるのも魅力。

あ、それぞれのお店の食べもののおいしそうなことは

もちろん言うまでもありません。

 

二冊目は、「下町の名建築さんぽ」。

有名な建物ではなく、昭和な雰囲気たっぷりの、二階が住居になっている

ようなミニマムな店舗の姿を中心に、あれこれとスケッチした一冊。

谷根千はもちろんのこと、北千住、三ノ輪、上野など

ご近所さんの知ってる建物もいっぱい載ってました。

建築家らしい精密で繊細なスケッチはとても気持ちよくて

眺めているだけで幸せな気分になります。

建築を観るうえでの「ポイント」も各スケッチの横にコメントがあり

なるほど、下町の建築はこういうところに注目すると面白いのか、

と見方を教えてくれる、一粒で二度おいしい

(って、これも昭和的表現ですね)楽しい本です。

 

最後に、吉村昭のエッセイ、タイトルもそのままですが

「東京の下町」。

冒頭のエッセイから、舞台はなんと我が街、日暮里の戦前の姿。

なにをかくそう、吉村昭は日暮里生まれ日暮里育ちの作家さんで

いらっしゃいます。

われわれにとってはもう映画でしか見たことがないというような

戦前戦後の街、そして下町の人々の暮らしが、淡々と綴られます。

歳を重ねた方にはなつかしく、若い世代にとっても

まるで海外の風景を見るような新鮮さで読める一冊です。

 

ちなみに今月26日には、ここから1キロほどのところ

荒川区役所の裏手に、「吉村昭記念文学館」を含む大型施設

「ゆいの森あらかわ」がついに開館するとのこと!

https://www.city.arakawa.tokyo.jp/kusei/fukugousisetu/hukugousisetsu.html

大きい図書館やこども向けの施設もあるそうなので楽しみですね。

 

3冊ともしばらく店頭にて展開を続ける予定です。

どうぞお店で手に取ってみてくださいね。